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二者択一で答えを求める質問のしかた
聴き上手な人は,質問上手でもあります。まずは,相手の話を引き出す質問のしかたを見ていきましょう。
相手から「○○さん,1つ,聞いていいですか?」といわれて,即座に断る人はいないでしょう。「どうぞ,聞いてください」と応えるのがふつうです。質問に対しては,何らかの回答が返ってくるのが前提になるで,会話の中で効果的な質問ができれば,相手はいろいろと話をしてくれます。そこで,まず試してもらいたいのが「クローズド質問」と「オープン質問」です。
クローズド質問とは,限定的な答えを求める質問のことです。たとえば,「○○は好きですか?」と質問されれば,相手は「イエス」か「ノー」で答えることになります。あるいは,「A案とB案のどちらがいいですか?」といったように二者択一で答えを求める質問もクローズド質問です。
特に,二者択一の質問は,選ぶという主導権は相手にあるわけで,主体的に判断してもらうことで相手が満足感を得ることにもつながります。たとえば,セールスパーソンが顧客とアポイントを取る際には,クローズド質問が効果的です。「来週のどこかで,お時間をいただけないでしょうか?」と聞いても,「今,忙しくて」と断られることがしばしばあります。しかし,
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「来週,ぜひお伺いさせていただきたいと思います。月曜日と水曜日であれば,どちらがよろしいでしょうか?」
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と二者択一で質問すれば,反射的に「どちらかといえば,水曜日ですね」と返ってくるか,「両日ともふさがっているので,金曜日はいかがでしょう」と相手のほうから日程を指定してくる確率が高まります。
相手に自由に答えてもらう質問のしかた
クローズド質問は,選んでもらう質問であり,相手に決断を迫る質問でもあります。したがって,クローズド質問ばかり続くと,相手は少し身構えてしまうかもしれません。そのため,クローズド質問の後に,オープン質問を続けてみるといいでしょう。
オープン質問とは,相手が自分で答えを選べる自由度の高い質問のことです。
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クローズド質問:「A案とB案のどちらがいいですか?」
相手の答え :「A案がいいです」
オープン質問 :「なぜ,A案がいいのですか?」
相手の答え :「A案のほうが環境に配慮していて,若者の消費トレンドに も一致しているからです」
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このように,クローズド質問からオープン質問の順にたずねることで,相手からスムーズに意見を引き出しやすくなります。
「ノー」といわせない質問のしかた
相手に何かをお願いして「ノー」といわれたら,それ以上は会話を続けられません。そういう状況をつくらないためのスキルとして「イエス・クエスチョン法」が有効です。これは,相手が「イエス」と答えやすい質問をいくつか続けることで,相手との会話の中で肯定的な空気をつくる方法です。
このように,「イエス」と答えやすい質問を繰り返すことで,あなたの質問には「イエス」で答えるのが当然の成り行きになる流れをつくってしまうのです。そして,最後は相手に「イエス」といってもらいたい大切な質問につなげます。
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「提案書は見てもらえましたか」→「はい(イエス),見ました」
「御社の部長様にも見てもらえましたか」→「はい(イエス),部長も見まし た」
「この製品なら予算の範囲に収まると思いますが」→「はい(イエス),収ま ります」
「ぜひ,わが社に発注してもらえませんか」→「そうですね(イエス),お任 せしましょうか」
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こうしてほぼ確実な「イエス」を積み重ねながら,不確実性の残る「イエス」を最後に引き出します。なお,イエス・クエスチョン法を実践するとき,相手が「はい」「そうですね」と応じたら,相手の「イエス」を受け取ったという合図を送り返すことが大切です。あいづち,うなずき,「ありがとうございます」などの返事によって相手の「イエス」を再確認することで,さらに肯定的な空気を醸成できます。
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