Cさんは,トラック輸送を中心とした運送業の本社スタッフから物流センターの現場管理職に就任しました。輸送効率が下がっており,業務プロセスの見直しが急務とされたためです。本社で業務改善を担当していたCさんは,短期間で効率化できると考えていましたが,現場に着任してみると大きな課題があることに気づいたのです。
チームメンバーの全員が,Cさんより年上の50歳代のベテラン社員で,定年間近の人もいます。仕事は確実にこなしますが,仕事のプロセスを見直し,新しい方法を採り入れることについては強い拒否感を示します。新しい仕事の進め方を提案しても,「特に問題がないのに,なぜそんなことをしなくてはいけないのですか」「やり方を変えると後工程にも影響が出るので行うべきではありません」と反対されます。
一番困るのは,会議の席で発言する人が少ないことです。反対意見を述べる数人以外は,指名しても何も発言しません。メンバーの大半がすでに昇進意欲もなく,今の状態を続けて定年を待っているようで,やる気や会社に貢献する気持ちが起こらないのは当然かもしれません。
やる気のない人たちを指示に従わせるには,厳しく指導するしかありません。「指示に従わないなら評価を下げます」「異動してもらうことになります」と伝えることで,何とか業務プロセスの改善に着手することができました。ところが本社の部長から呼び出され,「部下からの評判が悪い。あの上司の下では働きたくないという話が人事部に届いている。指導法を変えて部下との関係を改善してほしい」といわれました。Cさんは,まず何から始め,どのように対応すればよいでしょうか。
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