上司に求められる指標として,「智・信・仁・勇・厳」の5つがあり,中でも「信・仁・厳」は,上司の部下に対する“関わり方”になります。個人的には,特に「信:(部下から)信頼されること」が,上司がリーダーシップを発揮するうえで最初に取り組むべき事柄だと感じています。なぜなら,上司が部下から信頼されないことには,部下に対して思いやりの心も生まれないだろうし,仮に厳しい態度で臨んだとしても,反発を招くに違いないからです。
部下に信頼されるためには,先述した「嘘をつかないこと」「丁寧な言葉遣いをすること」以外にも,さまざまなコミュニケーションスキルが求められます。それについては後述するとして,ここでは,最も根幹に置くべき事柄である上司の“人間力”について確認していきたいと思います。
部下に「一緒に働きたい」と思わせる“人間力”
部下に「一緒に働きたい」と思わせる上司の人間力とはどのようなものでしょうか。『孫子』地形篇の中に,参考になる一節があります。
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