3. 悪いことこそ,早く報告させる


◆ 早い報告ほど,解決できる可能性が高まる

 部下は,結果が良かったときは喜んでもらいたいという気持ちも手伝って早めに報告しますが,悪かったときの報告はつい遅れがちになるものです。
 しかし,結果が良かったときよりも,悪かったときこそ,早く報告するように指導しましょう。
 たとえ好ましくないことが起きたとしても,部下が事実をできるだけ早く報告してくれれば,時間的な余裕があるため,上司は何らかの手を打つことができます。これまでの経験や人脈を活かすのはもちろんのこと,上司は部下よりも権限を有する立場なので,部下の手に余ることであっても,何とかできることもあるからです。
 しかし,土壇場になってから報告されては,上司といえども手の打ちようがありません。

◆ 最悪の事態になる前に報告・相談させる

 部下の中には,困った事態になっても,上司や先輩に報告・相談するのを躊躇する人もいます。
 その理由としては,任された以上,自分の力だけで処理しようという責任感や,「こんなことを相談したら馬鹿にされるのではないか」という羞恥心が働くことなどが考えられます。
 このような場合は,「自分がどうしたらよいか悩んでいる問題を,上司を含む関係者に相談することは決して恥ずべきことではない」ことを伝えて,理解させておく必要があります。
 責任感の強い部下ほど,上司が「大丈夫か?」と聞いても,「大丈夫です。頑張ります」と答えがちなので要注意です。
 報告や相談をしないまま見当はずれのことをしたり,解決するのにムダな時間をかけすぎたりすれば,かえって多くの人に迷惑がかかってしまいます。
 自分の力で何とか乗り切ろうとする気持ちは大切ですが,どう頑張ってもうまくいきそ

うになければ,最悪の事態になる前に現況を正直に報告させ,この後どうしたらよいか,相談させるようにしましょう。

◆ 自分に責任があることも正直に報告・相談させる

 好ましくないことが発生したとき,自分にその責任がある場合には,部下は報告を躊躇したり,正直に言わなかったりすることがあります。なぜならば,そのことを上司に報告すればきつく叱られることは明らかだからです。
 しかし,正直に話してくれなければ,上司には真実がわからず,間違った判断をしてしまうこともあります。  人間,誰だって自分がかわいいので,保身に回りたくなる気持ちもわかりますが,正直に言わずにいると,後で発覚したときに取り返しがつかないことになってしまいかねません。
 そのため,上司は日ごろから,

 「仕事で会社に大きな迷惑をかけるような失敗をしたからといって,始末書を書かされることはあってもそう簡単にはクビにならない。ましてや,仕事で失敗したことだけで命が奪われることは絶対ない。誰にでも失敗はあるものだから,できるだけ早く報告・相談してもらいたい」

と部下に伝えておくことが大事です。
 そうすれば,失敗をしたときにも,部下は勇気を奮って真実を正直に話してくれるようになるでしょう。

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