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1. 「プレゼンテーション」とは何か

 「プレゼンテーション(presentation)」は,もともとはアメリカの広告業界で使われていた用語です。広告代理店が,目に見えない広告のアイデアを広告主(クライアント)に採用してもらうために,説明・説得活動として発達してきました。現在では,ビジネスに限らず,さまざまな場面でプレゼンテーションが行われています。
 まずはその定義と,実施するうえで大切な3つの心構えを確認することからはじめましょう。

◆ 「スピーチ」と「プレゼンテーション」の違い

 プレゼンテーション(プレゼン)という言葉がここまで一般化すると,「人前で話すことは,すべてプレゼンなのか?」という疑問が生じるかもしれません。そこで,スピーチという言葉と対比することで,プレゼンテーションの特徴を明らかにしましょう。
 「スピーチ(speech)」は,スピーク(speak=話す)の名詞形で,「話し手本位」のコミュニケーション行動です。「話し手が何を考え,どうしたいのか」について,自分らしく率直に語ることをいいます。
 一方の「プレゼンテーション(presentation)」は,聞き手にプレゼントする(present=贈る)ことです。贈り物ならば,「もらう人」の好みに合ったものでなければなりません。「相手の知識レベルやニーズに合わせた話をする」など,プレゼンテーションは「聞き手本位」のコミュニケーション行動です。

◆ プレゼンターに求められる「3つの心構え」

 プレゼンテーションをする人のことを「プレゼンター」と呼びます。プレゼンターにと

って,特に重要な心構えは次の3つです。これらは,あらゆるプレゼンテーションに共通する基本原則といえます。

@ 聞き手の知識レベル,ニーズに合った話をする
 聞き手がどんな人たちで,何を求めているのか,しっかり分析して臨むことが大切です。たとえば,上の表のような類型化をして,「探求型の聞き手には,多めに資料を用意する」「無関心型には,冒頭に動画を見せて興味を惹く」などの対策を立てるとよいでしょう。いろいろなタイプの人が混ざって,焦点を合わせづらい場合は,予備知識が少ない人,動機づけの弱い人に合わせた内容・表現にします。
A ポジティブなメッセージを発信する
 プレゼンテーションにおいては,企画やアイデアを提案しているのと同時に,その話をしている人自身をプレゼント(呈示)しているという側面もあります。「企画は荒削りだけど,熱心な人だな」「この人は信頼できそうだ」といった印象を与えられれば,その後のビジネスにもつながるはずです。つねにポジティブなメッセージを発信し続け,信頼を勝ち取れるように心がけましょう。
B タイムマネジメントを強く意識する
 プレゼンテーションでは,冒頭で「趣旨」と,説明する「時間」を明らかにし,その約束どおりに行うのがルールです。時間をオーバーしたり,早めに終わったりすることは厳に慎まなければなりません。聞き手の時間を大切にする気持ちを持ち,何度もリハーサルを重ねて,時間どおりに進行できるように努めましょう。

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