1. 「ホウ・レン・ソウ」の重要性を説明できますか?

 組織というのは,複数の人間が集まって共同で仕事をする場です。そこでは,上司と部下,同僚,関連する部署間の連携プレーが求められます。その連携プレーを円滑に行うのに欠かせないものが「報告・連絡・相談」です。
 この報告・連絡・相談は,それぞれの言葉の頭文字をとって,一般に「ホウ・レン・ソウ」と呼ばれていることは,よくご存じのことと思います。

◆ 報告・連絡・相談の違い

 最初に,報告・連絡・相談の違いについて確認しておきましょう。
 「報告」とは,上司からの指示・命令に対し,現在どのようになっているか,どのようになったか,その結果や経過を知らせることをいいます。
 報告には,指示された仕事の結果・現況を知らせる「義務としての報告」と,部下が指示・命令されたこと以外に,自分が聞いたこと,見たことなど,幅広い情報を自主的に知らせる「情報としての報告」の2つの性質があります。
 「連絡」とは,自分の意見を付け加えず,簡単な事実情報を関係者に知らせることをいいます。
 連絡にも,上司に指示されて関係者に知らせる「義務としての連絡」と,気を利かせて関係者に知らせる「気を利かせた連絡」があります。
 「相談」とは,自分が判断に迷うようなとき,上司・先輩あるいは同僚にどうしたらよいか参考意見を聞くことをいいます。相談は,相談する人とされた人が問題を共有し,知恵を出し合い,どのようにアプローチしたらよいか,どのように対処したらよいか,最善の解決策を見いだす作業といえます。

◆ 仕事に不可欠な「ホウ・レン・ソウ」

 部下は上司の指示・命令・依頼によって動き,上司は部下からの報告・連絡・相談によって状況を判断し,次の指示・命令を発します。そのため,ホウ・レン・ソウが適切に行われなければ,組織は機能しなくなり,目標を達成することができません。そうなれば,上司は組織のリーダーとしての責任を問われることになります。

報告・連絡・相談の違い

報告

連絡

相談

 指示・命令に対して,結果
 や経過を知らせる

 自分の意見を付け加えず,
 事実情報を知らせる

 判断に迷ったとき,参考意見
 を聞く。問題を共有し,
 最善の解決策を見いだす

 上司は部下からの適切なホウ・レン・ソウがあってこそ,みずからの任務をまっとうできるといえるのです。
 「蟻の穴から堤も崩れる」というたとえがあります。これは,ほんのちょっとした油断や不注意から大惨事を招くことがあるということを表したものですが,部下には少しでも気になることは,上司を含む関係者にホウ・レン・ソウさせるようしつけることで,大ごとになるのを阻止できます。
 たとえば,部下が工場施設を見回った際に,何か異常な音がした,あるいは匂いがしたとします。気のせいかな? と思ったとしても,何かひっかかるものがあれば,上司を含む関係者にホウ・レン・ソウする。そういったことが大切なのです。
 また,企業間競争が激しさを増している現在は,情報が勝敗を左右するといわれます。ちょっとしたことでも,気を利かして関係者にきめ細かくホウ・レン・ソウすれば,貴重なビジネスチャンスをものにすることもできます。
 たとえば,知り合いやお客様から大きなビジネスチャンスに発展する可能性のある情報を電話で寄せられたとき,本人が在席していなかったので,代わりに電話をとった人が伝言を依頼されたとします。しかし,それをついうっかり伝言するのを忘れてしまったとしたら,大きなビジネスチャンスを逃してしまうことになりかねません。
 さらに,ホウ・レン・ソウは上司と部下との関係にだけ必要なのではなく,同僚,関係先,取引先,お客様との関係においても欠かせないものです。
 たとえば,納めた製品に何らかの欠陥(不具合)があったとします。こうしたことは決して好ましいことではありませんが,製造物である限り,完全無欠というわけにはいきません。欠陥(不具合)があったとしても,その後の処置が適切に行われれば,相手はそれほどの不満は抱かないものです。
 適切な処置をスピーディーにすすめるには,取引先との間でのきめ細かいホウ・レン・ソウが不可欠です。これが確実に行われれば,相手が当初抱いた不満は和らいで信頼へと変わり,リピートオーダーも期待できるかもしれません。

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