段取り八分
「段取り八分」と言われるように,段取り(準備)さえ整っていれば,仕事の大半は完了したも同然です。何事も準備や事前の仕掛けが肝心であり,スピーチやプレゼンテーションにおいても違いはありません。
では,人前で話す場合,どのような準備が必要になるのでしょうか。
まずは,話す内容をできるだけ覚えることが重要です。もちろん,話す内容が多い場合や,専門性の高い内容の場合,すべて覚えることは不可能です。しかし,話の核心となる部分はできるだけ頭に入れておき,メモもつくっておけば安心です。
リハーサルは万全に
次に,徹底的にリハーサルを行ってください。実は,この準備がとても大事で,筆者もセミナーや研修で初めて話す内容の場合,リハーサルを何度も行ってから本番に臨んでいます。
第一段階としては,1人で練習します。座ったままでもいいので,時間を計測しながら声に出して練習してください。まだ話す内容を覚えていないようなら,原稿を読みながら話の流れをつかんでいきます。
第二段階では,立ち上がって練習してください。その際に,できれば鏡の前で自分の姿を見ながら練習するとよいでしょう。このときも原稿を読みながらでもかまいません。
第三段階では,個人練習の最後として原稿を見ないで練習します。その際,自分の目の前に聴衆がいることをイメージしながら視線も動かします。また,身ぶり手ぶりや足の動きも取り入れてみましょう(12ページ参照)。
もし可能なら,第四段階として,身近にいる誰かに話を聞いてもらってください。自分1人で練習するのと,他者に聞いてもらうのとでは緊張感や臨場感が全く違います。できるかぎり本番に近い状況を想定して練習することが,現場における話し方の完成度を高めます。
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