「ゆっくりわかりやすく」一辺倒ではダメ
「人前で話すときは,ゆっくりわかりやすく話しましょう」と言われます。しかし,これは必ずしも正解とは言い切れません。
では,話すときのスピードはどの程度が適切なのでしょうか。
ポイントは,あなたが聴衆からどう思われたいかによります。「ゆとり」「落ち着き」「信頼性」を感じてもらいたいのであれば,ゆっくり話すのが正解です。
一方で,「頭の回転が早い」「若々しい」「情熱的」「スピード感」「臨場感」といった印象を持たせたいのなら,テンポよく話すのが正解となります。つまり,スピーチやプレゼンテーションの状況によって使い分けるということです。
話すスピードは,聴衆の属性よっても変化させます。比較的年齢が高めの層に話をするのであれば,ゆっくり話すことをおすすめします。逆に,比較的年齢が低めの層に話をするのであれば,テンポよく話すと興味を引きつけます。昨今のユーチューブやコロナ渦の影響もあるのでしょう。10代20代を中心に多くの人が娯楽動画や授業・研修動画を見ることに慣れており,時間節約のために1.2倍速あるいは倍速スピードで動画を視聴しています。ですから,通常の速さで話をしていても,そのような人たちにとっては「遅い」とストレスを感じさせてしまうのです。
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