SDGsに取り組もうとする企業が最初に行うべきことは,社会の課題・社会からの要求に対する自社の現在の立ち位置を正しく理解することです。まずは社会問題を生み出すことに連座してしまっていないか,ついで,その解決に貢献しているか,という視点で,自社の取り組みを見直す必要があります。その際,SDGsのゴールやターゲットは,社会課題・社会要求を知るための大きな手掛かりになるでしょう。
このとき留意すべきは,個々の企業が単独で17のゴールすべての解決に貢献することは必ずしも求められていない,ということです。SDGsに取り組む企業が,すべてのゴールとの関係をアピールしたくなる気持ちもわからなくはありませんが,17のゴールの領域は非常に幅広い範囲に及ぶため,いち企業ですべてをカバーできるケースは限られるでしょう。また,受け手側にも,SDGsにおける関連領域を精査・特定できていない印象を与えてしまいます。したがって@は誤りです。
また,SDGsに取り組む際,製品・サービスの機能や便益のみに焦点を絞る必要はありません。むしろそれを提供するまで(または利用後)の,バリューチェーン全体に目を向けるべきでしょう。例えば,「ゴール5 ジェンダー平等を実現しよう」においては,女性従業員の処遇を見直すことで,貢献できる余地がありそうです。また,「ゴール12 つくる責任 つかう責任」でも,廃棄物の抑制など,製品・サービス自体の価値とは異なる部分で,貢献が求められます。この意味でBは誤りです。
一方,自社の製品・サービス,あるいはそれを支えるバリューチェーンがすでに社
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