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完成事例を見てみよう
どのようなイメージで,どう作成すればよいかがあらかじめ頭の中にインプットしてあれば,いざ自分がつくるときの参考になります。全体的なイメージだけでなく,構成要素やページ内の流れ,文章の書き方など細かい点もチェックしておきましょう。
具体的な事例は9ページ以降で説明しますが,これらは私が実際に手掛けた仕事をA4・1枚企画書にアレンジしたものです。
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・【物流改革提案】ロジスティクス革新のご提案 ――――――――― 9ページ
・【営業戦略提案】焼酎メーカー・営業戦略の再構築について ――― 10ページ
・【事業企画書】人材育成事業企画 ――――――――――――――― 11ページ
・【営業企画書】販促・管理ソリューションのご案内 ――――――― 12ページ
・会社プロフィール紹介 ―――――――――――――――――――― 13ページ
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どのような1枚企画書でも必要な要素は,タイトル・提案先・提案元・日付,そして企画内容です。提案先や提案元,日付を書かない人もいますが,どこの会社が,どの会社に,いつ提案したかという情報は必須です。あとで提案プロセスや企画内容を振り返ったり,担当者が変わったりする場合もあるからです。
これらの要素ではタイトルを一番目立たせて,次に項目や見出しに目が行くように
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強調します。全体構成,文字の大きさや色,図形や背景の色などによってメリハリをつけることができます。企画書では流れや比較,違いを表現することが多く,詰め込んだ要素をどう並べて見せるかが重要です。そのときに,内容を区分するために,直線のほか,四角,丸,三角などの図形も使い,太さや色を変えてわかりやすく表現しましょう。
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A4・1枚企画書の具体事例を「物流改革提案」から見ていきましょう。
【どのような企画書なのか】
提案相手である商社はロジスティクスに関していくつかの問題を抱えています。そこで,物流コンサルティング会社が,問題を抱える商社に,物流効率化を目的として,現状の問題点や課題から目標を設定し,3つの解決策を提案しています。
【A4・1枚企画書の内容】
現状の問題点と課題(システム,倉庫環境,提案・改善作業),具体的な目標(コスト,セールスロス,誤出荷,在庫精度,営業支援),ご提案のポイント(倉庫移転,システム改善,体制の構築)をまとめています。
【A4・1枚企画書のポイント】
構成として,現状分析(左上),目標(右上),施策(下)というオーソドックスなスタイルです。現状分析,目標の2つを踏まえて,施策を導きだしています。矢印を大きめに入れることでその読み方の流れをサポートしました。企画書の紙面は,左上から右上,そして左下から右下と,“Z”の書き順で読まれていくのが一般的で,その視線の動きに合わせて項目を配置しています。紙面的にポイントとなる項目は,背景に色をしいて白抜き文字にするとページ全体から見ても目立つので,構成がわかりやすくなります。
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【どのような企画書なのか】
焼酎メーカーでは営業力の強化が大きな課題になっています。そこで,営業コンサルティング会社が,焼酎メーカーに対して,売上アップを目的として,現状認識(焼酎市場)をもとに,営業強化を図るための基本課題,個別課題を設定しています。
【A4・1枚企画書の内容】
A4・1枚の中に,現状認識(焼酎市場,市場シェア,ユーザー動向),営業課題(目的,自社の強み,営業基本課題,個別課題)をまとめています。
【A4・1枚企画書のポイント】
全体的には,「現状認識」から「営業課題」に移っていき,上から下へという視認性のよい流れになっています。真ん中の大きな三角形をモチーフとして,営業基本課題である「営業力の徹底強化」というテーマに向けて,どういう個別課題があるのかひと目でわかると思います。この1枚企画書では,施策やアクションプランの提案がありません。見てわかるように,営業個別課題が多く,施策やプランまで落とし込めていない状況のため,まずはどの課題を最優先したらよいか,提案相手に確認してもらうためのトライアル的な企画書なのです。この企画書によって,相手がどの個別課題に沿った施策を求めているかが確認できれば,次回は施策を絞り込んでより具体的な提案へと進めます。
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【どのような企画書なのか】
スーパーの人材育成に関して,具体的な施策を人材育成会社が提案しています。そのため,人材育成会社は,人材育成を目的として人材クルー業務の全体計画から,人材クルーの採用計画,研修計画までを示しています。
【A4・1枚企画書の内容】
A4・1枚の中に,人材クルー業務の全体計画(人員計画,募集,面談・採用,研修,配置・シフト,運営管理),人材クルーの採用計画(考え方,方向性,募集,面談・採用),人材クルーの研修計画(新規採用研修,定期研修,研修体制,ロールプレイング,マニュアル)をまとめています。
【A4・1枚企画書のポイント】
全体計画(左),採用計画(右上),研修計画(右下)で構成しています。左側に全体計画を示したうえで,右側に採用計画と研修計画を抜き出し,さらに細かく説明していくという流れです。それぞれの計画の中身として何を行うのかも,白抜き文字を使ってわかりやすくしています。この企画書のポイントは,採用計画と研修計画に絞って提案していることです。提案する側が相手に求めていることとして,この2つに重点を置いて説明しています。その結果,最大の改善効果が期待できる計画を相手に認識させることができるのです。
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【どのような企画書なのか】
自社のソリューションやサービスについて関心を持ってもらうための企画書です。提案している販促管理サービス会社は,さまざまな企業向けとして,販売促進系ソリューションを2つ,管理系ソリューションを4つ,メニュー形式で提案しています。
【A4・1枚企画書の内容】
A4・1枚の中に,6つのソリューションの特徴とその主な効果についてわかりやすく説明しています。
【A4・1枚企画書のポイント】
提案相手のニーズがまだどこにあるかわからないケースでは,自社の各ソリューションやサービスについて偏りなく,同じようなスペースで提案することがあります。本ケースでは,販売促進系と管理系のソリューションをグループでまとめたり,ソリューションのタイトルを白抜き文字で目立たせたりする工夫をしています。そして,ソリューションごとに特徴を箇条書きで簡潔に示し,その下で図解するという形式で統一しています。複数のソリューションを提案することで,提案相手が業務内容の広さを認識し,この6つの中のどれか1つにでも興味を持ってくれれば成功です。次の提案では,興味を持たれたソリューションについて細かく説明し,相手の求めに応じた内容を提案することになります。
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【どのような企画書なのか】
新規営業先や初めて訪問する会社に,自社や自分のことを説明するときに使うA4・1枚企画書です。本事例では,会社紹介と代表者プロフィールを記載し,会社概要を伝えています。
【A4・1枚企画書の内容】
会社紹介では,事業コンセプト,企業哲学,行動指針,業務内容などを紹介し,代表者プロフィールでは,経歴,実績,信条などを記載しています。この内容から会社の個性と得意分野がよく伝わってくるはずです。
【A4・1枚企画書のポイント】
会社紹介と代表者プロフィールを左右に分けて,ほぼ同じボリュームで紹介しています。この形式は,個人企業,あるいは代表者の個性でアピールしたい小企業に向いています。A4・1枚に最もPRしたいポイントだけを吟味し,きちんと盛り込むことが大切です。このサンプルのバリエーションとして,会社紹介だけでなく,個人のPRにも応用できます。一方,規模の大きい会社では,会社概要や事業内容のスペースを大きく取り,代表者の欄を小さくすることで対応できます。そして,次回の提案では,興味を持たれたサービスや製品などについて細かく説明し,相手に合わせてアレンジした提案をすることになります。
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