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始める前に全体をイメージする
「スタートの時点で,本当は結果がほとんどわかるんです」 ―― バルセロナ五輪のマラソン銀メダリスト,有森裕子さんの言葉です。企画書づくりもこれと同じで,企画書をつくりはじめた時点で完成イメージが必要になります。
もちろん,作成中もいろいろと軌道修正をしていきますが(マラソンもレース中に駆け引きし,自分の調子に合わせて走り方を変える),企画書をつくる前に全体のイメージはできるかぎり明確に持つようにしてください(マラソンなら自分がゴールテープを切っているイメージ)。
企画書づくりは備えあれば憂いなし
● 全体のイメージをつくる
最初に企画書の完成イメージを持ち,どういった全体像になるかを考えます。完成図である必要はありませんが,ある程度の明確なイメージは必要です。ここでいう明確なイメージとは,企画書の目的やコンセプト,提案したい内容などを押さえていることです。完成イメージがないと,企画書の作成中に内容の善し悪しが判断できなかったり,構成要素に迷いが生じたりすることが多くなります。最悪の場合,作業が完全に止まってしまうこともあるので,あらかじめ全体像を想定しておくことが大切です。今回のサンプル作成でも,自分ならどうつくるかシミュレーションしながら作業工程を読みすすめるとよいでしょう。
● 資料やデータを集める
全体像を押さえると,企画書づくりに(ビジネスを説明するために)必要な資料やデータも思い浮かびます。企画書の内容にもよりますが,営業企画書であれば商品やサービスの内容,仕様に関する情報は必須です。商品PRならその画像も入れたいところです。開発担当者や社長の言葉,顔写真もよいアイキャッチになります。また,対象者やターゲットに関してくわしく説明したければ,ターゲットのプロフィールや市場データを社内資料やインターネット,書籍,雑誌などから集めます。あとで資料やデータを追加しなければならない場合もありますが,それはそのときに考えるとして,事前に可能なかぎり集めておきましょう。
● 最低限必要なことを考える
全体イメージをつくる中で,事前に考えておかなければならないのが,テーマやコンセプト,キャッチフレーズなど,売りのポイントとなる要素です。これらは,自分の想いを届けて,相手の心に刺さるようなメッセージ性の高い言葉でもあります。
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企画書をつくりだしたら一気呵成に作業を進めたほうがいいので,事前準備は怠らず,十分に時間をかけます。企画書をつくりながら考えていると作業が中断しやすくなり,完成まで時間がかかります。そこで,資料を集めるステップ,考えるステップ,企画書をつくるステップというように,別々の作業として分割すると効率的です。とはいえ,最初のうちはステップを分けて行うのは戸惑うかもしれません。途中で資料を探したり,考えたりする時間が発生してしまうこともありますが,何度か繰り返すうちに慣れていき,スムーズに作業を進行できるようになるでしょう。
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● タイトルを考える
企画書のタイトルは,特に重要です。タイトルが決まると,企画書全体のイメージもビシッと決まります。サンプルのタイトルは「ロジスティクス革新のご提案」とシンプルですが,どういう主旨かはすぐに伝わるはずです。タイトルも企画書をつくっているうちに多少は変わっていくものなので,作成前はあくまでも全体の内容をイメージできる明確さがあればよいでしょう。
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★タイトルが決まると,企画書全体のイメージも決まる
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ここまでのステップ1は企画書づくりの事前作業といえます。イメージする,資料を集める,内容を検討するという作業です。これからどういう企画書をつくろうかと決めかねている場合は,多少時間がかかるかもしれませんが,イメージさえできてしまえば,企画書はおおかた完成したも同然です。
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