意見の食い違いは対話のきっかけ
他者と意見が食い違うとき,みなさんはどのような反応をするでしょうか。つい,相手を言い負かそうと躍起になってしまったり,逆に相手の意見のほうが正しそうだと言葉を飲み込み,自分の意見を引っ込めたりしてしまうかもしれません。
実は,言い負かそうとするのも,言葉を飲み込んでしまうのも,根本は同じ。相手との対話を断ち切る行為です。対話を勝ち負けに持ち込み,断ち切ってしまうと,あなた(もしくは相手)の考えた範疇以上のアイデアは生まれません。
本来,対話の中から自分のアイデアが育ち,相手のアイデアを育て,その結果1+1を10にも100にもすることができる,化学反応の場なのです。そのために必要なことは,意見の食い違いを対話のきっかけとするコミュニケーションです。
事実と意見を切り分けて考える
意見の食い違いを対話のきっかけとするには,事実と意見の切り分けが大切です。
事実とは,「誰が見ても客観的に確認できること」。定量的(数値・数量で表せる)なデータはもちろん,定性的(数値・数量で表せない)な記述であったとしても,観察される事象から他者の発言もまた「そのようなものが存在している,そのような行動が起こされた」という事実であるといえます。
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