リニア・エコノミーからサーキュラー・エコノミーへ
近年,欧州を中心に浸透し,日本でも関心が高まりつつあるのが「サーキュラー・エコノミー(循環型経済)」です。採って作って使って捨てる「リニア・エコノミー(直線型経済)」から,作って使って新品に戻す循環型の経済に変革していく,というのが基本的な考え方です。現段階で,サーキュラー・エコノミーの統一化された定義はありませんが,図表12の考え方が比較的よく使われています。
類似の概念として,いわゆる3R(リデュース・リユース・リサイクル)の取り組みがありますが,3Rも廃棄物の抑制や再利用・再資源化を目指している点では共通しています。一方,サーキュラーエコノミー・ジャパン代表の中石和良氏によれば,サーキュラー・エコノミーはこれらに加え,循環を前提とした製品を開発・生産すること,自然の保護・復元を目指すこと,経済や金融なども含む社会システム全体の循環を促す形に変えていくこと,という点で違いがあるようです。
サーキュラー・エコノミーで“無駄を価値に”
ビジネスにおいては,これまで最終的に廃棄していた資源を再利用することで,残存価値を再び享受できるようになることに大きな意義があります。これにより,
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