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オンラインでも質を下げない工夫が必要
求人情報サイトが2020年2月に社会人300人を対象に行った調査によれば,1on1ミーティングを経験した上司の9割,部下の7割がそのメリットを感じていると答え,合計で8割が肯定的にとらえていると報告しています(図表14参照)。
このように,経験者の多くが1on1ミーティングの有効性を認めていますが,テレワークが始まってから中断したり,逆にテレワーク開始後から導入したものの,うまくいかず挫折してしまったりするケースも少なくないようです。
Zoomなどのビデオ通話は慣れないうちは使いにくく,操作に慣れても相手の反応がつかめない,声が聞き取りにくい,相手の部屋の様子が映って集中できない,といっ
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たことから対面より神経を使います。こうして互いに不承不承続けていると,コミュニケーションを深めるという本来の役割が果たせなくなります。そこで,ビデオ通話で1on1ミーティングを行う際に注意したいポイントを紹介します。
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対面時より自分の見せ方・話し方に気をつかう
●照明
ビデオ通話を行っているときに最も問題なのは,相手の表情がわかりにくいことです。薄暗い室内で解像度の低いディスプレイを使ってビデオ通話を行うと,相手の目や口の動きが読み取れず,見ている側は不安になります。室内照明が明るい場所に位置取りしたり,デスクスタンドで自分を照らしたりするなどして,自分の表情が相手にわかるように工夫してください。
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●通信環境
Wi-Fiでネットに無線接続していると,遅延や画面のフリーズ,音質低下でミーティングが中断することもあります。これらのトラブルを最小限に抑えるには,できるだけWi-Fiルーターの近くで行うか,あるいはルーターとPCをケーブルでつなぎ,ルーターから直接データが取り込めるようにすると,通信環境の問題は軽減できます。
●音質
PCが高性能であれば内蔵マイクでも問題ありませんが,音声がこもったり,
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生活音が紛れたりするなら外付けマイクをつけると,音声がある程度はクリアになります。
●背景
自宅の室内が映し出されると,見る側もついそちらに視線が移動してミーティングに集中できなくなります。壁を背後にするか,バーチャル背景の機能を使うかして,互いに相手の視線が自分に集まるようにします。
●カメラ位置
ディスプレイの中央で顔から胸元が収まるようにPCやタブレットのカメラ位置を調整します。ミーティングを行う前に,録画機能を使って自分のカメラ位置や明るさ,音声を確認しておくとよいでしょう。
●服装
テレワークとはいえ,ラフな私服やパジャマ,ノースリーブなどでミーティングに出るのは相手にあまりいい印象を与えません。就業時間内に行うのですからオフィスカジュアルの範囲で,落ち着いた柄の服装でミーティングに臨むべきです。
●ジェスチャー・発声
15ページでも述べましたが,対面で行うときよりジェスチャーはいつもより大きく,発声ははっきりと(マイク機能で調整してもいい),表情は朗らかに,さらに相手が話しているときは口を挟まない,がオンライン・ミーティングのルールです。
〈参考文献〉『任せるリーダーが実践している1on1の技術』(小倉広・著 日本経済新聞出版)/『ポジティブな職場づくり』(山岡雄己・著 日本監督士協会)/『問題の発見・分析・解決力を高めるスキップ・エクササイズ』(大橋一彦・著 日本監督士協会)/『上手なテレワークコミュニケーション』(能勢みゆき・著 日本監督士協会)
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