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◆ 食事はカロリー制限と糖質制限が基本
糖尿病の食事療法は,カロリー制限が基本です。カロリー制限では,1日に必要な
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エネルギー摂取量の範囲内でカロリー量を計算しながら食事をとることになります。
しかし,最近は血糖値を上昇させる「糖質」の摂取量を制限する医師も増えてきました。糖質の摂取量を減らしても,体の脂肪がケトン体に変化してエネルギーとして使われるため,健康上は特に問題ないと考えられています。しかも,糖質を減らせば確実に血糖値が下がるため,めんどうなカロリー計算をせずに血糖コントロールができるという利点もあるのです。
糖質は,炭水化物から食物繊維を引いたものです。ご飯やパン,麺類などの主食,果物,イモ類は糖質が多いことを覚えておきましょう。主食は,できるだけ減らすのが理想
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です。代わりに葉物野菜や海藻類,キノコ類,肉や魚のたんぱく質のおかずをたくさんとってください。図表13の食品は血糖値を上げにくく,腹持ちもいいのでおすすめ
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です。
なお,血糖降下薬を飲んでいる人やインスリン注射を打っている人が糖質の摂取量を急に減らすと低血糖(血糖値が70mg以下)を起こす恐れがあります。糖質の摂取量をどれくらい減らすかは,医師と相談してください。
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◆ ベジファーストで血糖値の急上昇を防ぐ
従来の食事療法では,主食を一定量とっていいことになっています。しかし,いきなり主食からとると食後血糖値の急上昇(ブドウ糖スパイク)を招くことが少なくありません。ブドウ糖スパイクは,血管を傷めて動脈硬化を進行させてしまいます。
その対策が「ベジファースト」といわれる食べる順番療法です。これは梶山靜夫医師が考案した食事法で,最初に野菜を食べきり,次にたんぱく質のおかずをとり,最後に主食を食べます(図表14を参照)。野菜には食物繊維が豊富に含まれており,食事の最初にとると,腸内で糖質の消化・吸収を遅らせることができるのです。
たとえば,残業時にコンビニで買ったおにぎり,唐揚げ,サラダを夕食にする場合,「サラダ→唐揚げ→おにぎり」の順にとれば,血糖値の上昇が緩やかになります。
◆ 低血糖に要注意
糖尿病の人が食生活の見直しで注意しなければならないのは,低血糖です。薬を服用したり,インスリン注射を打ったりしている人が自己判断で食事量を急に減らすと必要以上に血糖値が下がり,発汗,頻脈,手のふるえ,頭痛,目のかすみ,生あくびなどの症状が現れやすくなります。さらに悪化すると,けいれんが起こり,昏睡にいたることもあります。ベジファーストを行う場合も,食事のとり方は必ず医師と相談して決めてください。
低血糖が起こったら,すぐにブドウ糖10g(砂糖なら20g),またはブドウ糖を含む飲料水150〜200mlを飲み,しばらく安静にします。低血糖に備えて,常にアメを携行しましょう。
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