高血圧の治療では,食事療法(主に減塩)とともに運動療法も重視されています。
従来,高血圧の患者さんに指導する運動療法はウォーキングなどの有酸素運動が中心で,瞬時に力を加える筋トレは,あまりすすめられていませんでした。それが近年は,筋トレを行うことで手足の末梢血管の血流がよくなり,血圧が下がることが明らかになっています。
筋トレといっても,腹筋運動のようなきつい運動は必要ありません。意識的にかかとを上下させるだけでも,降圧作用を得られるのです。
そこで,血圧の安定に役立つエクササイズとして「かかと上げ」をおすすめします(図表8を参照)。かかと上げを行うと,第二の心臓と呼ばれているふくらはぎの筋肉(腓腹筋など)が大きく動き,全身の血流がスムーズになって血圧が安定しやすくなります。仕事の合間や通勤時の電車の中など,毎日の午前と午後に行うといいでしょう。
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