◆ 管理者が留意すべきことがら
組織目標と個人目標の統合について,管理者が留意すべきことがらを整理しておきましょう。ともすると目標の設定は,個別の事情や本人の能力を無視した,管理者による一方的な押しつけがあったり,逆に,本人任せっぱなしの放任だったり,といった傾向がみられました。本来,目標管理は,経営目標の達成という目的を実現するものでなければなりません。マネジメントツールとしての目標管理の運用は,とりわけ管理者の果たす役割が重要になります。管理者と部下が一体となって目標を設定し,その達成に取り組む必要があるからです。
そのために,管理者は経営課題や職場の重要課題を示し,本人の事情や能力を踏まえたうえで,十分に話し合う必要があります。そのうえで,双方が納得できる目標を設定します。納得できない目標は,モチベーションの低下につながります。また,結果だけを考えた目標は,挑戦的とはいえないものになりがちです(図表5)。
◆ 「評価基準」の事前の合意が重要
目標管理の達成度評価は,ジョブ型(成果型)の人事評価制度だけでなく,職能資
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