知的に見えるが伝わらない外来語
ビジネス会話では,外来語が多く使われます。外来語とは,主に西洋の諸言語から取り入れた借用語のこと。本来,外来語は日本になかった物・概念が渡来したときにそれを示す言葉がないことから,諸言語の言葉がそのまま使われるようになりました。近年は,外国語のほうが格好よく知的だからという理由で,意識的に取り入れた外来語(英語が中心)が急増しています。商品名や店名,ブランド名はもちろん,ビジネスの場では業界用語として多くの外来語が使われているのはご存じのとおりです。
ただし,あまり馴染みのない外来語は理解しにくく,コミュニケーションの妨げになるばかりか,相手に不快感を与えてしまうこともあります。
浸透していない外来語は対訳とセットで
よく使われる外来語には,昔からあるもの(例:パンなど)と,近年になって急に使われるようになったもの(例:サステナブルなど)があります。
ビジネスでよく使われるのは,経済用語(例:ニッチなど),IT用語(例:ソリューションなど),各分野の業界用語(例:エビデンスなど)で,最新の専門用語がおおむね外国語のまま流入して使われる傾向があります。業種によって使われる頻度は違いますが,自分が働いている業界で多用される外来語は,ひととおり把握しておいたほうがいいでしょう。ビジネスでよく使われる外来語は,プライベートでも比較的意味が通じやすいといえます。
近年になって急に使われるようになった外来語の中には,まだ十分に認知されておらず,意味を理解しにくいものも多々あります。わかりにくい外来語は,同じ意味の日本語で表現したほうがコミュニケーションの妨げになりません。浸透していない外来語を使うときは,例えば「ステークホルダー,つまり利害関係者」のように日本語の意味を併せて述べる方法もあります。なお,外資系企業などで社内の公用語が英語だったり,外国籍のスタッフがいたりする場合は,難解な外来語が使われることもあります。その場合は,原語に照らして言葉の意味を理解するように努めましょう。
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