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読点を打つ位置で意味が変わってくる
読点(,)には関係の深い語句どうしをまとめる役割があり,読点がなかったり,いい加減に読点を打っていたりすると,読みにくいだけでなく,文の意味そのものが変わってしまうこともあります。
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@ 子犬は尻尾を振りながら近寄ってくる母犬に甘えた。
A 子犬は,尻尾を振りながら近寄ってくる母犬に甘えた。
B 子犬は尻尾を振りながら,近寄ってくる母犬に甘えた。
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上記の例文@では,「尻尾を振っている」主体が子犬か母犬かわかりません。読点を打ったAでは「尻尾を振っている」のが母犬,Bでは子犬となります。このように,読点は文の意味を考えながら打つ必要があるのです。
読点の打ち方の基本ルール
文の意味が正確に伝わるように読点を打つ。これが大原則になりますが,ほかにも読点の打ち方にはルールがあるので,主なものを紹介します。
● 主語が長い場合に打つ
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・オードリー・ヘプバーンが主演の「ローマの休日」は,1953年に公開された。
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・本メールに記載されたURLで「ご契約手続きのご案内」ボタンをクリックして,契約内容に関する必要事項を入力します。
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・しかし(ところが),契約の直前になって先方からキャンセルの申し出があった。
・不審な電話は切るように注意していたが,老父が振り込め詐欺の被害にあった。
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● 原因・理由・条件を表す語句(ため/ので/だから/たら/れば/と)の後に打つ
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・担当者が所用で不在のため,代理で私がご案内させていただきます。
・窓を開ければ,正面に裾野からそびえ立つ富士山が見えます。
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・「男はつらいよ」には笑いがあり,涙があり,人生の教訓もあります。
・この定食屋は,うまい,安い,早いの三拍子が揃っている。
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・あの場所に行ってはいけない,と祖母に言われたことを思い出した。
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・千葉県では,特に千葉県南部にお住いの方は,土砂災害にご注意ください。
・乗用車や商用車は,二輪車を除いて,立ち入り禁止です。
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・父と息子は山登りに行き,母と娘は温泉巡りをした。
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・おはよう,今日もいい天気ですね。ええ,気持ちよく晴れわたっています。
・ねえ,これからどうする? ああ,食事にでも行こうか。
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・1945年8月15日,日本における第二次世界大戦が終結した。
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これらの読点の打ち方は絶対的なルールではなく,誤読される恐れがなければ,省略してもかまいません。読点をあちこちに打ちすぎると,逆に語句の修飾関係が混乱したり,文のリズムが乱れたりする場合があるからです。
読点が多すぎる,または少なすぎると思ったときは,音読してひと呼吸置けるところを探しましょう。文のどこに意味の転換点や読みやすくなる切れ目があるのか気づきやすくなります。
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