6.web会議システムによる会議の進め方とコツ

web会議システムを使った会議の進め方

 web会議システムを使った会議の進め方が,対面の会議と大きく異なるかといえば,そうではありません。基本的には進行役がいて,議題があり,議事録を作成するなど通常の会議と同様ではあるものの,オンラインならではのマナーも存在します。主催者または進行役の役割を時系列で見ていきましょう。
1.事前準備
 会議の日時や議題とともに,web会議システムのツール指定,URLやIDの送付,また,初めて使うツールの場合,アプリの取得方法やインストール方法も伝えると親切です。さらに,通常の会議と同様,事前に目を通してほしい資料があれば送付します。
2.開始直前
 通常の会議でも,会議室の予約や会議用資料の準備などを行うのと同様,web会議システムを活用する際も開始前の準備が必要です。主催者(ホスト)は開始10分前にはシステムを立ち上げて,正しくシステムにログインできるか,カメラのアングルや音声などを確認し,参加者の入室許可や声かけをします。直前まで個々に仕事をしているので,集まってきたときの雰囲気づくりは大切です。丁寧に挨拶をして,円滑な会議になるようにムードをつくります。
3.会議中
●冒頭:全員の声が聞こえるか,画面共有資料が見えるかなど,環境を確認します。また,進行上のルールがあれば冒頭に伝えましょう。たとえば,意見や質問があるときは挙手する,意見はシステム内のチャットに書き込んでもらうなど。
●会議中:なるべく1人ずつ名前を呼び,全員が等しく意見を言えるように配慮します。
4.会議終了時
 会議の終了時は,1人ずつシステムから退出するのを待つよりも,主催者が「それではこれで終了します。みなさんお疲れ様でした」と丁寧に挨拶し,システムを切りましょう。役職が上の人から抜けていくのを待つ必要はありません。
5.その他
 レコーティング(録画)をする場合は,事前に参加者にその旨を伝えましょう。記録の保存場所なども確認しておくと,あとで慌てずにすみます。

web会議システムで円滑な会議を行うコツ

 「web会議システムでのミーティングのポイント」(13ページ)でも述べましたが,リアクションを大きくするなど,オンライン特有の会議をスムーズに進めるコツがいくつかあります。それが,@カメラ目線A雰囲気づくりB癖に注意の3点です。

 「@カメラ目線」ですが,会議中はモニターに映る参加者の顔を注視しがちです。しかし,聴き手に目が合っていると感じてもらうには,PCのカメラに向けて目線を送る必要があります。これは話を聴くときも同様です。時折,カメラ目線にしてうなずくと,相手も話しやすくなります。
 「A雰囲気づくり」ですが,各人が異なる場所で仕事をしているため,メンバーどうしで雑談をする機会も減っているはずです。冒頭に短時間でも近況や雑談の時間を取るなどして,お互いの体調や心理状態を知っておくとよいでしょう。
 「B癖に注意」とは,自宅やくつろいだ場所から会議に参加する際,ついやっ

てしまいがちな癖やマナー違反についてです。たとえば,肘をついたり,カメラに映っていない角度でスマホを見たり,直前までやっていた仕事を続けていたりするなどの行為です。全身が見えている状況とは違い,画面は顔を中心にフォーカスされているので,会議に集中していない様子などは表情を見れば参加者に伝わってしまいます。対面の会議なら抑えられている悪い癖は,オンラインでも当然行わないように注意してください。常識的なことばかりですが,自宅などのくつろいだ空間にいると,相手の目を忘れてやってしまいがちです。

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