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◆ 依頼の前にクッション言葉で地ならしする
日頃から物を頼みづらい上司に面倒な依頼をする場合でも,言い方に心配りを添えれば,何やかやと言われても引き受けてくれるものです。失礼のないスマートな頼み方をいく通りか知っているだけで,気難しい上司とのやり取りもかなりらくになるので,知っておいて損はありません。
依頼の本題に入る前に,ひと言添えておきたい,ていねいな声かけを覚えておきましょう。以下のフレーズは,一般に「クッション言葉」と呼ばれています。
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相手に手間をかけてしまう場合 |
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親しくない相手に依頼する場合 |
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ご多用のところ恐れ入りますが |
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誠に厚かましいお願いではございますが |
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お手数(ご面倒)をおかけしますが |
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勝手を申し上げて誠に恐縮ですが |
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急な依頼を持ちかける場合 |
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依頼を何度も繰り返す場合 |
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急に(突然)ご無理を申し上げて恐縮ですが |
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たびたびお手数をおかけしまして恐縮ですが |
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差し迫ったお願いで恐れ入りますが |
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何度もご迷惑をおかけして申し訳ありません が |
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突然のことで誠に恐縮ですが |
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重ね重ね恐縮に存じますが |
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こうしたクッション言葉を最初に添えると,目上の人に貴重な時間と労力を割かせてしまって申し訳ない,という気持ちが相手に伝わります。その結果,お願いや相談事も難なく聞き入れてもらえる可能性が高まります。状況によって前後の表現が多少違ってくるものの,基本形の「恐れ入りますが」「恐縮ですが」「お手数(ご面倒)をかけますが」のいずれかを,依頼の言葉とセットで使うといいでしょう。
◆ 相手に伺いを立てるのが基本形
クッション言葉で地ならししたら,本題の依頼の言葉に入ります。依頼の事例ごとに悪い例と良い例をみていきましょう。
●仕事中の上司に話しかけるケース
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○ いま(1分ほど)お時間をいただいてよろしいでしょうか |
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伺いを立てる形にして,時間の目安がつくならつけ加えます。
●休みを願い出るケース
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○ 明後日,お休みを取りたいのですが,よろしいでしょうか |
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このケースも,上司の意向や都合も伺う形にします。
●書類をチェックしてもらうケース
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○ 企画書を作成いたしましたので,お手すきのときにでもご覧いただけないでしょうか |
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このほかに「お目通し願えないでしょうか」も使えます。
●時間の猶予を願い出るケース
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○ 誠に申し訳ございませんが,期限より2日ほどご猶予をいただけないでしょうか |
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遅延したことへの謝罪をしたうえで,あと何日必要なのかスケジュールを伝えます。
●他社への同行を依頼するケース
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○ 明日,△△商事の打ち合わせにご同行願いたいのですが,14時から1時間ほ どお時間をいただけますでしょうか |
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場所や日時をしっかり伝えるとともに,上司が時間を取れるか確認します。
●念押しや確認を求めるケース
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○ 織り込み済みかと存じますが,先日の事案は進行してもよろしいでしょうか |
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「織り込み済みかと〜」で,お忘れでないことは承知している,と相手を立てます。
●協力の依頼をするケース
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○ お願いするのは忍びないのですが,何とぞお力添えをいただけないでしょうか |
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「忍びない」で心苦しさを伝えて,目上の人に使う「お力添え」で協力を請います。
上記例文は,最初に紹介したクッション言葉と合わせて使うと効果的です。状況に応じて組み合わせてください。
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