No.5.『7つの習慣』 スティーブン・R・コヴィー

 研修に参加したつもりで腰を据えて取り組む

 人間らしい生活を送るには,ビジネスだけでなく,プライベートにも意識を向けなければなりません。特にリーダー世代は,子育てや介護を担う年代でもあり,ワークライフバランスについて真剣に考えざるを得なくなります。
 1990年の発刊以来,世界中で読み継がれている本書は,ワークライフバランスの手引書です。著者はリーダーシップ研究の第一人者として,ワークライフバランスの必要性を早くから唱えてきました。仕事だけでなく,家庭や友人関係など,生きるうえで大切なすべての要素を取り上げ,人生を自分の手に取り戻すため,働き方や生き方を自分で選択することを目指しています。
 7つの習慣のうち,第1〜3の習慣は「私的成

功」にかかわるもので,個人として成果をあげるための原則を紹介しています。第4〜6の習慣は「公的成功」にかかわり,信頼関係にもとづく相互依存の状態をつくるための原則です。第7の習慣は,第1〜6の習慣を磨き,効果を高めていくための原則(再新再生)について解説しています。
 こうした7つの習慣を確立するなかで自身のパラダイムシフト(世の中に対する認識と解釈の転換)が起こると,「問題は自分の中に存在する」ということに気づきます。問題を他人のせいにせず,自分が変わる,自分が働きかける姿勢が身につくことで,ビジネスとプライベートはより充実したものへとなります。
 本書は読んですぐに役立つヒント集ではなく,理解には時間がかかり,実践はさらに困難を伴います。著者の研修に参加したつもりで,じっくりと腰を据えて読み,ペンを手にどんどん書き込んでください。一度読んで終わりでなく,繰り返し読み直す必要があります。だからこそ「習慣」なのです。ひとたび身につければ,その習慣は真の成長と成功に導いてくれる,かけがえのない財産になるはずです。

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