2.メンバーの話を“聴かない”ことのほうがもったいない

 メンバーの話を聴くメリットはわかっていても……

 職場のリーダーであれば,誰もが次のように望んでいることでしょう。
 ・必要な情報を確実に得たい
 ・コミュニケーションを活性化し,風通しの良い職場にしたい
 ・メンバーのモチベーションを高め,パフォーマンス向上を図りたい
 そのために「聴き上手であるべき」と頭ではわかっていても,いざメンバーを目の前にすると話をしっかり聴けなくなってしまう。そんなパターンが多いのではないでしょうか。
 どうしてそうなってしまうのか,どうしたら“聴くモード”になれるのか,それを考えてみましょう。

 頑固な先入観がじゃまをする

 傾聴のスキルを駆使する大前提として,この人の話を聴いてみようという“心の姿勢”が必要です。そのじゃまをする代表選手が“先入観”ではないでしょうか。あなたの先入観はけっこう頑固かもしれません。「また○○さんか。どうせ大した話じゃないだろう」という先入観に縛られると,心の姿勢が整わず,聴くモードになれません。
 「どうせいつもの調子だろう」「忙しいのに面倒くさいな」「良い話のわけがない」「どうも彼(彼女)は苦手だ」「話が噛み合わないんだよなぁ」……などといった先入観を取り払うことが,傾聴の第一歩となるでしょう。

 認識の修正を試みる

 「どうせ大した話じゃないだろう」というのは,あくまでも聴く側の思い込み(先入観)にすぎません。まだ聴いていないのですから,どんな話かわかるはずがないのです。仮につまらない話だったとしても,「やっぱりね。聴いて損した」で終わらせてしまっては,いつまでも聴き上手にはなれません。
 「相手は大事なことを伝えたかったのだけれど,自分の聴き方が悪くて引き出せな

かった」とも考えられます。あるいは,「話の内容は大したことなかったけど,○○さんは満足そうだった。やる気を出してくれたらいいなぁ」ということだってあるはずです。つまり,聴き手の認識の仕方次第で,先入観を取り払うことはできるのです。

 先入観はとりあえず横に置いておく

 先入観は人それぞれに異なりますが,いまのあなたの認識を変えてみる,あるいは別の認識を知ることが役に立つかもしれません。図表2をヒントに試みてください。
 あなたの先入観がとても頑固で,なかなか取り払えないとしても,一時的に“横に置いておく”ことならできるでしょう。そうすることで,とにかく傾聴モードに入ることが大事です。

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