「学ばせる」


◆ 何を学ばせるのか?

 では,具体的には何を学ばせるのでしょうか? 当然,「ビジネスパーソンとして」「会社で」「業務をする」わけですから,「ビジネス全般に必要な」または「自身の会社で必要な」もしくは「担当業務に必要な」,「知識」「スキル」「態度(メンタル)」ということになります。より具体的には図表3のようなものがあげられます。

 お察しのとおり,ビジネスパーソンが学ぶべきことは,非常に多種多様であり,あまりたくさんのことを頭に入れようとしても消化不良を起こしますので,シンプルに整理して,おおまかに3つ,「知識」「スキル」「態度(メンタル)」を,部下に学ばせるのだと心がけていけばよいと思います。
 ここで,学ばせるにあたって注意すべきことは,以下にあげたような「自分の会社でしか通用しない能力」を学ばせる際には配慮が必要だということです。

自分の会社でしか通用しない知識・スキルの例
 ・自社商品特有の知識(品番等)    ・会社や部署の歴史や経緯
 ・他社で使用されないシステムの操作法 ・会社特有の申請法や業務フロー
 ・社内用語              ・社内の権力関係や人間関係

 この「自分の会社でしか通用しない能力」は,会社として業務をこなしてもらうために必要でありながら,それらの習得ばかりを求めると,部下のモチベーションを下げ,離職の要因になり得ます。長期雇用が崩れ,多種多様なキャリアを歩んでいくことになる部下の皆さんは「どこに行っても通用する知識・スキルを身につけたい」という気持ちが強く,自分の将来に役立たない業務を嫌う傾向にあるからです。できる限り幅広く通用する能力を学ばせるよう配慮してあげることが,部下の働きがい向上のためにも非常に重要です。

◆ どんな方法で学ばせるのか?

 続いては,それらの能力をどのような方法で,学ばせるのでしょうか? 業務を行いながら学ぶ形,業務と別に時間と場所を取って行う形,プライベートの時間を使って自発的に学習する形,と図表4のような3種類のパターンが考えられます。
 それぞれのメリット,デメリットを踏まえ,部下の性格,能力,業務上の必要性に合わせて手段を選んでいくとよいでしょう。


◆ 学ばせる際の上司としての注意点は何か?

 ここでのまとめとして,学ばせるにあたって,上司として心がけるべき気遣いを図表5にあげます。部下の自発的に学ぶ姿勢を応援してあげる心遣いがポイントです。

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