3. BSからわかる会社の財政状態


 BSの基本的な読み方

 BSの読み方は,まず次の4つのポイントをおさえましょう。
@ 資金の調達状況(負債及び純資産)を読む……負債と資本の合計(総資本)は,会社の資金規模を示しています。返済の必要のない純資産の割合が高いほど,資金繰りは楽になり,逆に,負債の割合が高いほど,資金繰りは厳しくなります。また,負債は流動負債と固定負債に区分されますが,流動負債は短期に支払期限がきますので,その割合が高いほど支払いに追われることになります。
A 資金の運用状況(資産)を読む……一般に,資金の多くを流動資産に運用している会社は,資金が潤沢であると言えますが,販売能力以上に棚卸資産を抱えている場合などがありますので,単純に流動資産が多いからいいとはいえません。工場,機械装置を持つ製造業など,固定資産の割合が高い場合には,資金が固定化する傾向が強くなります。

B 支払能力を測定する……貸借対照表の上半部に記載されている「流動資産」と「流動負債」の関係から,会社の短期的支払能力を測定することができます。一般に短期に返済する必要のある流動負債より短期の換金性の高い流動資産が多ければ,支払能力に余裕があると考えていいでしょう。流動比率はこのことを評価する指標です。
C 財務の健全性を評価する……貸借対照表の下半部に記載されている「固定資産」と「純資産」及び「固定負債」の関係から,会社の財政の健全性(長期的支払能力)を判断することができます。自己資本比率はこのことを評価する代表的な指標です。

 形を見れば財政状態がわかる

 以上のことがわかれば,実務的にはBSの形から瞬時に財政状態の概要をとらえることができます。BSの形は下図のように,3つのパターンでとらえておくといいでしょう。純資産の合計が多いほど安泰型といえます。
 日産の場合は,流動資産が固定資産よりもかなり大きくなっています。流動資産と流動負債を比べると,明らかに流動資産が多く,支払い能力が高いことがわかります。ただし,総資産に占める純資産の割合は28.1%(自己資本比率26.4%)であり,トヨタなどと比べるとやや低い数字です。BSのパターンでは一般型といえるでしょう。

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