1. 職場のルール・規律は組織運営のソフトウエア

 「就業規則」から現場の「作業標準」まで,職場にはさまざまなルール(規則)が存在します。また,明文化されていないけれども,みんなが守っている不文律のルールなどもあります。こうした幾重ものルールに乗っかって,組織というものは運営され,秩序や生産性が保たれているのです。いってみれば,ルールは組織を動かすソフトウエアのようなものであり,重要な経営ノウハウのひとつともいえるでしょう。
 ところが,どんなにすばらしいソフトウエアを考え,つくりあげたとしても,それだけで経営がうまくいくわけではありません。「うちは,ほうっておいてもルールが完璧に守られ,秩序が乱れるようなことは決してない」と言い切れる職場は皆無でしょう。つまり,ルールの“運用”面で,多くの経営者や管理者は頭を痛めている,というのが現実なのです。

■ルール遵守は大事,でもどこかに抵抗感が

 ルールや規則という言葉には,どうしてもネガティブなイメージがつきまといます。たとえば,
 ・人を縛りつける(拘束する)もの
 ・やぶると罰則が待っているもの
 ・窮屈で,自由を奪うもの
 ・強要されるもの

 などといったことです。性善説だの性悪説だのと議論するまでもなく,ルール・規律に対する“抵抗感”は,多かれ少なかれ,誰もが持っているものです。だから,遵守させることが容易ではないのです。つまり,困難を伴うことを覚悟で,これもリーダーの責務と腹をくくって取り組み続けるしかありません。

■ルール・規律が守られにくい職場とは

 ルール・規律が徹底しない職場には,次にあげるような共通の問題点が見られます。おおまかなくくりではありますが,あなたの職場,チームに思い当たる節はないか,振り返ってみてください。


こんな職場はルール・規律が守られにくい


 @ ルール自体が浸透していない

 誰もが知っておくべきルールが,実際には周知徹底しておらず,「知らなかった」「そんな決まりがあったのか」などというセリフが聞かれます。
 A ルールを守ろうという“意識”に欠ける
 「ちょっとくらい,いいだろう」と,会社の備品を持ち出したり,会議の時間に遅れたり…,そういうことがとがめられないと,規律にルーズな職場だということになって,しまいには「何をやってもかまわないんだ」という意識が充満してきます。あるいは,確信犯的に「ルールに縛られていたら,いい仕事なんてできない」などと開やからき直る輩まで現れたりします。こうしたメンタリティは伝染しやすいという怖さもあります。
 B ルール・規律の遵守が“徹底”されていない
 「徹底されていない」というのは,ルールが浸透していて,かなり守られてはいるのだけれど,一部に守らない人がいるといったケースです。「あの人が許されるのだから,自分もいいだろう」「自分だけまじめにやっているのは,ばかばかしい」といった気持ちから“ルール違反の亀裂”がどんどん広がっていきます。

 こんな職場(チーム)をあずかるリーダーは苦労が絶えないはずです。しかし,こうした現状をつくり出しているのはリーダーの責任ともいえるのですから,きちんと受け止め,ルールが当たり前に守られる職場づくりをすすめていくしかありません。

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